埼玉県熊谷市は、東京都心から50~70キロメートル圏に位置し、ほぼ平坦で荒川や利根川の水に恵まれた肥沃な大地と豊かな自然環境を有し、その区域は、南北に約20キロメートル、東西に約14キロメートルで、面積は159.88キロメートルです。人口は193,446人(R4.4.1現在)で県北では最大の人口を有しております。平成21年4月1日には、より自立性の高い権限を持つ「特例市」へ移行しています。平成の年間平均気温は15.0度、降水量は1286.3ミリメートル、日照時間は2042.1時間、平均風速は2.4メートルであり、温暖で、自然災害も少なく過ごしやすい気候といえます。平成16年に猛暑日の日数が日本一となりました。また、平成19年8月16日には、日本最高気温40.9℃を観測し、「暑いまち熊谷」で全国的に有名になり、平成30年7月23日には、日本最高気温更新となる41.1℃を観測しました。熊谷市においては、暑さ対策として多彩な事業を展開しています。。
1 熊谷市消防団の紹介
熊谷市・妻沼町・大里町が平成17年10月に合併し、続いて江南町が平成19年2月に合併したことにより4消防団が統合され、熊谷市消防団として発足しました。熊谷市消防団は34分団・528名(条例定数)で組織し、活躍しています。
消防団は、地域に密着した最も身近な機動力のある防災機関として機能しています。地域の実情を知っている地域住民が、消火活動・応急救護訓練などを通じて災害に備えるほか地域の防災訓練にも参加して防災行動力の向上を図っています。万が一、災害が発生した場合、消防団は自主防災組織・自治会などと連携して情報収集にあたるとともに、その情報をもとに消防署と連携して消火・救出・救助等迅速かつ的確に対応します。
2 熊谷市消防団の活動
熊谷市消防団では、毎年、4月の辞令交付式において新入団員を任命、その新戦力を加えて新年度の活動を始めています。消防団員の公務災害防止及び活動能力向上等の為、消防本部や埼玉県消防学校で開催される訓練や教育研修に多くの団員を参加させています。平時の活動の一つとして、火災予防並びに放火防止対策を推進するため、地域内を巡回し、防火広報等を行っています。また、熊谷市で行われる花火大会等の行事の警備や市内各地で開催されるお祭り等の警備を実施しています。多くの消防団員が水防団員を兼務しているため、例年7月に荒川南縁、荒川北縁、利根川の3つの水防訓練に担当地区に沿って参加し、水防活動の基本となる工法を実施しております。
訓練の年間の総まとめとして11月上旬に、埼玉県消防協会熊谷支部消防特別点検を行い、服装点検・消防操法・ポンプ車による一斉放水訓練等を実施しています。
3 女性消防団員の発足
近年の社会情勢の変化によって、市民の消防行政に対する要求は多様化・高度化の方向に進んでいます。こうした状況の中で、今後の消防団の活動において、女性の活動による防災予防活動及び災害時後方支援など、女性特有の優しさきめ細やかな配慮などを必要とするため、平成20年度に17名の女性消防団員が入団し、分団として活動を開始しました。現在は16名の団員(定数20名)が消防団の主要行事へ参加、火災予防等に関する広報・啓発活動及び救急救命普及・指導等を行っています。また、平成23年度は第20回全国女性消防操法大会へ県代表として出場、平成28年度は第22回全国女性消防団員活性化北海道大会において事例発表、平成29年度は第23回全国女性消防操法大会へ県代表として出場し優良賞を受賞いたしました。
4 終わりに
われわれ熊谷市消防団は、先輩方が培ってきた伝統を大切にし、「地域は地域で守る」という郷土愛に燃え、地域住民の生命、財産を守る地域防災のリーダーとして、十分な自覚と使命のもとに、市民の皆さんの期待に応え、災害のない明るい安心、安全な熊谷市、そして地域づくりに貢献してまいります。
熊谷市消防団長 牧 国夫